読書カフェ~君たちはどう生きるか

まちもりカフェでは月一回金曜日の午後13時半から15時に読書カフェを行っています。
最初は課題図書を決めていましたが、今は自分が好きな本を読んできて紹介する形にしています。
2月9日の読書カフェで話題になった本は、カズオイシグロの作品、マークスの山、ピンチランナー調書、きみたちはどう生きるか、シモーヌ・ヴェイユ、鈴木大拙などなど。

読書会をきっかけに、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」漫画本を読んでみました。「この本を10代のころに読んでおきたかったなぁ」と思いました。何が本当に大切なことなのか、学校の勉強をすることの意味など、10代のころ自分なりに迷い、模索していましたが、きちんと答えてくれる大人は周囲にいませんでした。人間として生きて行くうえで必要なことは教えてもらったと思うのですが、もしかしたら勘違いして人として間違った方向に進んでいたかもしれないと思う。私たちと同世代の政治家をみていると勘違いしている人がたくさんいるように感じます。私たちの世代は若いころ、何が本当に大切なことか、考える機会を皆あまり持っていなかったように思う。それどころか本当に大切なことが何かを考えることを止められていたようにさえ思います。

原作でなく漫画の方を読んだだけですが、珠玉の言葉がたくさんあって、ストーリーも感動的。この一冊の中から一番印象に残った言葉を探すのは難しいのですが、あえて選んで紹介します。

「人間が集まってこの世の中を作り、その中で一人一人が、それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということにどれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか、ということになると、ぼくはもう君に教えることができない」「こういうことについてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。」

「人間が、元来、何が正しいかを知り、それに基づいて自分の行動を自分で決定する力を持っているのでなかったら、自分のしてしまったことについて反省し、その誤りを悔いるということは、およそ無意味なことではないか」

次回の読書カフェは3月2日(金)13時半から。ヘルシーカレーもあります。NHKで放映されたカズオイシグロの白熱教室のビデオを見る予定です。