気功入門5・・気功は人類の昔からの健康法
こうした東洋医学の概念は西洋科学とは異なるパラダイムを持っています。しかし東洋医学の考え方は中国だけのものではなかったようです。
人類は昔からいかにすれば健康を保てるかをも、経験的に知っていたはずなのである。それを古代中国人は「気」と名づけたわけだが、プロローグでもふれたようにこうした概念は東西を問わずかつてあまねく人類に共有されていたものだ。たとえばインドには「プラーナ」という言葉がある。(p150,p151)
このプラーナはまさに「気」である。ヨガでもプラーナは呼吸する空気の中に含まれ、体内に取り込まれる生命エネルギー、「生命の根源」を意味している。しかもプラーナはミクロコスモスである人体ばかりでなく、マクロコスモスである宇宙全体に充満していて、自然界のすべての現象を統べているというのであるから「気」即「プラーナ」と解釈しても大きなまちがいではあるまい。(p152)
西洋の近代科学と東洋医学とが、まったべつべつベの道を歩みはじめてから、たかだか300年しかたっていない。近代科学が誕生し隆盛をみたのは、西洋の近世にはいってデカルトが登場し、心と体を完全に切り離す心身二元論の立場から、精神と身体をべつべつに研究する方法を確立して以来のことである。それまでは、東洋も西洋も医学の方法や観点にかなり同質なものをかかえていた。たとえば、古代ギリシャから中世ヨーロッパまで、人体には「プネウマ」という一種の生命エネルギーがあると考えられていたが、これは中医学が「気」を生命エネルギーとする考えと全く同質のものと言える。(p26)
「気功入門」の紹介は原文引用ばかりですみません。品川さんの言葉を私の理解で噛み砕いてしまうと内容が変わってしまい、誤解を生じそうで・・。引用箇所を探すために何度もページをめくり、私自身の理解はだいぶ深まりました。気功を学び始めたばかりで「気功ってなんだろう」と戸惑っている方のお役にたつとよいのですが・・。